ご回答についての質問
2001年11月2日
文京区立指ヶ谷小学校児童転落事故を調査する会
事務局長 安田 耕治
ご回答についての質問
文京区立指ヶ谷小学校児童転落事故に関しての関係各機関に対する申し入れに対し、それぞれご回答を頂きありがとうございました。
いずれのご回答も当会の調査報告書をお読みいただいたうえでのご回答かとは存じますが、事故原因についての回答がなされているものは一つもありませんでした。前回の申し入れ内容が抽象的であったためかも知れませんが、当然のことながら、当会の調査報告書で指摘した具体的事実(とりわけ、調査報告書9頁以下「4事故の発生原因と責任」の項)についてのご回答があるものと思っておりましたところ、遺憾ながら何故にか当会の摘示した事故原因事実に関してのご回答がありません。本件事故から教訓を導き出し、二度とこのような悲惨な事故を繰り返させないようにするためには、科学的な調査に基づいて正しい事故原因事実の認識を関係者全員で共有する必要があると存じます。当会は、本件転落事故は、端的に言えば、子供が窓の外に容易に出られるような、また、出てみたくなるような危険な設備状況を何十年にもわたって学校側が放置してきたことが原因で発生したものと判断しております。万一、当会が調査した結果判明した原因事実について誤っているならば、その旨のご指摘をいただきたい。そして、関係各位の協力、協働のもとに本件事故の原因について更に究明していきたいと考えます。
このような立場から、改めて、関係各機関に対し、下記の具体的質問をさせて頂きますので、ご回答下さい。
1.指ヶ谷小学校の5階図書室(事故当時)の窓について、腰壁の高さ(「腰高」)が約61cmしかなかったことは事故当時認識されていたのでしょうか。
2.事故当時、この窓の危険性は認識されていたのでしょうか。仮に認識されていなかったとすれば、どうして何十年にもわたって、このような危険な窓の存在が認識できなかったのでしょうか。
3.当会が実施した児童へのアンケート調査によると(調査報告書14頁~15頁)、今までにこの窓から外の庇へ出た児童が何人もいますし、それを見た児童も何人もいたのですが、そうした児童の動向については認識されていたのでしょうか。もし認識されていなかったとすれば、どうして長い間認識できなかったのでしょうか。
4.この転落事故以前、学校施設の安全点検は行なわれていたのでしょうか。行なわれていたとすれば、どのように行なわれていたのでしょうか。そのチェックリストはあったのでしょうか。あったとすればご提示下さい。
指ヶ谷小学校校長殿からのご回答には、安全管理及び安全指導についての取り組みの一つとして、毎月、生活指導部を中心とした全教職員による安全指導、避難訓練をしており、その中で、校内を点検、調査し、万全を期するため指摘された箇所等は速やかに教育委員会へ報告し、改修してきた旨述べられていますが、これは、本件事故以前にも行なわれていたのでしょうか。仮に行なわれていなかったとすれば、このような取り組みが毎月なされるようになったのはいつからでしょうか。具体的実施日はいつなのでしょうか。
5.文部省(当時)の制定した「小学校施設整備指針」(平成4年3月)の存在は認識されていたのでしょうか。その指針の中で「外部に面した窓は、腰高の高さを適切に設定すること。また、窓下には、足掛かりとなるものを設置しないことを原則とし、必要に応じ、窓面に手すりを設けることが望ましい」とされていることの認識はされていたのでしょうか。また、そもそも、この指針は小学校の現場に配布されているのでしょうか。
6.この図書室(当時)は、建築基準法上5階であるとの認識はお持ちでしょうか。そもそも、どうしてこのような5階に図書室が設置されたのでしょうか。これは、4階以上に教室等の児童を収容する室を設置することを禁止した東京都建築安全条例には違反していないのでしょうか。もし、違反していないとすればそれは何故でしょうか。
7.また、面積が100㎡を越える本図書室の出入り口として一方に並んだ二つの出入り口は、「避難上有効」とは考えられず、「二以上の出入り口」を要求している同条例の趣旨に反するのではないでしょうか。
8.図書室の窓について、昭和57年の「文京区立指ヶ谷小学校外壁サッシュ改修その他工事」により、取り替えられたサッシュ(調査報告書42頁図4)は、設置当初のサッシュ(同報告書41頁図3)とは異なり、腰高61cmのサッシュにされたのはどうしてでしょうか。
このようなサッシュに取り替えることについては誰の責任で決定、施工、検査されたのでしょうか。
9.平成9年の「指ヶ谷小学校校舎耐震補強その他改修工事」により、この窓の隣の窓のサッシュは腰高が約1mと高い窓とされたうえ、手すりも設置されました(同報告書43頁図5)。しかし、右隣のこの窓については何故手すりすら設置されずに放置されたのでしょうか。この工事は誰の責任で決定、施工、検査されたのでしょうか。
10.事故後、この窓に手すりが設けられましたが、これはどのような判断からでしょうか。また手すりの設置位置についてはどのように検討されたのでしょうか。この手すりの設置に関しては、誰の責任で決定、施工、検査されたのでしょうか。
11.その後、さらに、図書室自体が3階に移設されましたが、それは何故でしょうか。その移設は誰の責任で決定、実施されたのでしょうか。
12.今後、学校施設安全点検をどのようにされていくのでしょうか。また、されているのでしょうか。本年度、学校運営連絡協議会を設置された旨ご回答がありましたが、その構成メンバー及びその選任方法、運営方法、運営内容等を開示下さい。とりわけ指ヶ谷小学校での具体的構成メンバー及び選任方法、運営方法等について開示下さい。
13.事故後、事故の原因や事故防止対策について、教職員並びに保護者や児童の間で話し合う場を持たれたのでしょうか。持たれたとすれば、どのような話し合いがなされたのでしょうか。持たれていないとすれば、それはどうしてでしょうか。
14.当会の調査報告書に摘示した事故原因を踏まえて、この事故に関し、遺族に謝罪するつもりはおありでしょうか。謝罪されるとするなら、それはどのような方法によってされるのでしょうか。また、その謝罪は何に対する謝罪なのでしょうか。
以上の諸点につき、それぞれの関係機関の立場から、1ヶ月以内を目途にご回答を下さいますようお願いいたします。
以 上

